西野そらの日々の事ごと

「書く」ことを暮らしのなかの一つに。日々の些事をどう受け止め、考えたのか。忘れないように。

撤回

 もう飲まない。

 年中、こんなことを誓っている気がする。いや、誓うほど切実ではないにしても、毎日は飲まないと幾度となくみずからに言い聞かせてはきた。

 昨年あたりから、ワインを4、5杯飲んだ日の翌日がきつい。目覚めた途端、

「くたびれた」

 となる。

 数日前もそうだった。

 起きたそばから、朝ごはんはシリアルですませちゃおうか。今日はお弁当買ってくれないかしら。洗濯物入れをまえに、毎日毎日どうしてこうも汚れ物がでるわけ?不満やらやりたくない思いが次から次に沸き上がる。

 しかし、胸の内でなにを思おうとも朝ごはんと弁当をつくらないわけにはゆかず、流しの前に立つ。翌日の洗濯量を想像すれば洗濯もまた然り。洗濯ものを選り分け洗濯機に入れる、自分のために。

 

 いつだったかテレビで、精神科医がこんなことを言っていた。

 胸の内でどう思おうとも、ともかく取りかかる。取りかかりさえすればコトは片づいていく。誰だって億劫になることはあって、億劫がる自分を責めることはない。心持ちなんぞは関係なく、ともかく動く。ここが肝心。

 目からウロコが落ちた。以来、動きたくなくてグジグジし始めると、面倒くさいけどとりあえず動きなさいよ、自らの背中を押している。

 

 弁当をつくり終えたころ起きてきた夫に、今日は飲まないと宣言する。

「年をとると、アルコールを分解するのも疲れるんだよね。今日は飲むのやめよう」

 どうやら夫もくたびれているらしい。

  ところが。

「会社を出たところ。今日はなに?」

 と、帰るコールがあったのは、飲まない宣言をした14時間後。献立に合わせて、なにを飲もうか考えているのだ。

 こうして飲まない宣言は、いとも簡単に撤回されてゆく……。

 

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今日届いた、蚊遣り器です。

西野 そら