西野そらの日々のこと 

「書く」ことを暮らしのなかの一つに。日々の些事をどう受け止め、考えたのか。忘れないように。

それぞれの、マナー。

 わたしは、37度。平熱のことではない。足の親指の傾度の話。

 一昨年の春、近所の整形外科医から紹介されて赴いた総合病院の整形外科。そこで撮ったレントゲン写真から、親指が人差し指側に37度倒れていることがはじき出された。この数値は中度の外反母趾にあたるらしい。

 もちろん外反母趾であることは自覚している。若いころからヒールのある靴、先の細い靴は避けてきた。避けてきたというより、そんな靴は履けやしなかった。無理に足を入れても、たちまち出っ張った親指の骨が痛くなる。それだから、靴選びには気をつかってきた。が、どうしてか年々、その出っ張りは特徴的になってゆくのだった。

 中度の外反母趾では出っ張った骨を削るという手術をするほどではなく、これといった治療はない。できることといえば、現状維持が目当ての、足底のアーチを補助するインソールをつかうことらしい。で、病院が提携する義肢装具やでインソールをつくる。

 インソールを靴に敷いたからといって痛みがなくなることはなかったが、いつしか痛みは和らいでいった。痛みに慣れたというのもあるかもしれない。

 しかし、インソールをつかい1年半がたった昨年の10月が終わるころ、また足が痛みだした。この度の痛みは外反母趾の痛みとは違う。痛みを取り除いて欲しかった。触診もせずにインソールを提案されるのは勘弁願いたい。インターネットで近隣のまちの整体を調べた。

 数週間後。とあるスポーツ整体を見つけた。そして出会ったのが、担当のOさん(男性。30代前半だそうです)。

「おそらく、外反母趾の影響でしょうね」

 外反母趾が治るというのではないが、使うべき筋肉を正しく使うべく、骨の位置なんぞを整えたり、筋肉をほぐしたりしていくと、Oさん。

 これまで腰痛や肩こりで整体を受けたことはあるが、足の施術は初めてだった。本当のところ、37度に傾いた素足の親指をさらすのも、抵抗がないわけではない(名誉のためにいうが、男女を問わず)。それなのに、Oさんは嫌な顔をせず、ためらいもせずに傾いた親指を動かし、出っ張った骨を静かに押さえたり、押し入れたりする。それが整体師のマナーとは言えだ。

 わたしとて、恥ずかしさと申し訳なさが綯い交ぜになった心持ちで、施術台に仰向けになっている。が、しかし。そんな心持ちなど露ほどださず、堂々と寝そべっている。

 それが患者としてのマナーであろう。

 

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長谷園の蒸し鍋です。

土鍋としても使えます。蒸した野菜と肉を

蒸したカマンベールに絡めて食べます。

おいしいのに、写真がおいしそうでないのが残念!

西野 そら