西野そらの日々の事ごと

「書く」ことを暮らしのなかの一つに。日々の些事をどう受け止め、考えたのか。忘れないように。

とうとう……

 次女が高校に入学した4月から、その影はチラついていた。以前ここでそのことを書いたが、娘の学校へ赴くたびに、もう逃げられないかもしれない、という思いがつよくなっていた。そしてとうとう、その時がきた。

 

 「10月◯日、『△△△』にて、第1回ダンス部飲み会決定」

 ダンス部1年生のハハたちを仕切ってくれているAさんからメールが届いた。

 初の顔合せとなった当日。互いによくわからないまま、それでもなんとなく聞き覚えのある名前をたよりに、話が進む。

「あんまり名前が覚えられないから、娘につくってもらったの」

 こう言って、Yさんがスマートフォンの画面を周りのハハたちに見せた。

 画面にあるのは6月の初ライブのおりに撮った子どもたちの集合写真。感心するべきは写真でなく、2列に並んだ前列の子たちには下に、後列の子たちには上にそれぞれの名前が記されていたことだ。

「これ、いい。わたしも欲しいわ」

 だれかのひと言で、Yさんはサッサーと画面に指を滑らせる。

「ラインで送りましたよ」「届いたわ、ありがとう」「きたきた」

 一斉にみな自分のスマートフォンを取り出し、その写真を見はじめたのでる。   

 ひゃー。 

  ガラケーのわたしには届かない。そも、ラインのグループにはいっていない。手持ちぶさたのわたしに隣の人が画面を見せてくれる。わたしは恐る恐る訊いた。

ダンス部のライングループには何人が登録してます?」

 サッサー。指が滑る。 

「あら、いつのまにか西野さん以外みんなはいってるわ」

 ひゃー。

 みなさん、顔は合わさずとも、すでにラインで多少の交流があったのかもしれない。

 まあ、そんなことは構わない。それよりも、これまでAさんはわたしにだけわざわざメールを送ってくれていたことを初めて知った。ああ、申し訳ない。Aさん、面倒をおかけしました。胸の内で詫びる。

 帰宅後。

「ラインで写真がきたよ」

 次女のラインにあの名前入り写真が届いていた。Yさんのはからいであった。

 ひゃー。

 そんなこんなで、とうとうわたしも、スマートフォンの主となる。

 

「いくらガラケーでも、試用期間9年は珍しいです」

 スマートフォンをもとめるさい、世話になった店員のことばだ。

「ほんとうなら、もっと使えるのにね。通信のシステムが変わるから買い替えなきゃいけないなんて、ちょっと無念」

 最後の最後まで、わたしは抗っていた。

 

sosososora.hatenablog.com

上の記事では長女が高校2年のときに譲り受けたとありますが、思い違いだったようで、勘定するとどうやら長女が高校1年のときにわたしが譲り受けたもので、譲り受けてから6年、長女が使っていた時期を合わせ9年だったようです。

 

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スマートフォン購入と同じ日、

百貨店でやっていた京都展でもとめた

一筆箋とはがきです。

はがきは雪輪模様のものと

実になる植物が描かれているもの。

縁起がよさそうで、手に取りました。

西野 そら