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西野そらの日々のこと 

「書く」ことを暮らしのなかの一つに。日々の些事をどう受け止め、考えたのか。忘れないように。

大雨洪水警報

 先週の木曜日。

 午後3時過ぎ、大雨洪水警報を知らせるメールが届いた。

 わたしの住むまちの市役所が実施している「暮らしの情報メール配信サービス」からだ。

 警報の発令がでるなんて、一体どれほどの雨になるのやら。

 隣まちの高校(隣まちといっても自転車で10分ほどのところ)へ通う次女と大学生の長女に配信された警報メールを転送する。雲行きが怪しい時間帯に帰宅がぶつかったら、様子をみなさいよ。という意味を込めたのだ。

 午後5時半。空が暗くなりはじめ、とうとう降ってきた。と思うや、どんどん雨足が強くなる。雨のしぶきと雨筋。かすかに雷鳴も聞こえる。「ザーーー」。雨のかたまりが屋根、木々の葉、車、地面を叩きつける音が轟く。

 梅雨とはいえ関東は空梅雨。この雨が矢木沢ダムのあたりで降ってくれたら、少しは貯水率があがるだろうに。白い雨をみながら、ふと思う。

 

 「道に迷った。雨がすごくて、自転車に乗れない。スマホが水没するかも」

 思いがけず、次女からSOSの電話がはいったのは矢木沢ダムを思っていたときだ。

 道に迷ったとはいえ、遠くにドラッグストアの屋上看板が見えるというので、それに向かってとりあえず進め!雨音にかき消されないよう、大声で伝える。

 電話から10分後。ドラッグストアの駐車場に車を停める。すぐさま店内からリュックを背負ったままシャワーを浴びたような、次女が出てきた。

「信じられないんですけどー」

 信じられないのはあんただ。

「大雨警報のメールを転送したの、見た?」

 見るには、見たらしい。

 空が暗くなりはじめたあたりから近道を選んだのだとか。近道といえども、うろ覚えの道。見当だけで進み、住宅街の袋小路にはまったのらしい。普段なら、周りの景色をみながら進めるものの、前は見えない。叩きつける大雨の恐怖。

「死ぬかと思った」

 そうとう心細かったにちがいない。

「でもさ、こういうときこそ『急がば回れ』なんじゃないの?」

「ほんと、そう思った」

 というから、まあ、なに事も経験。

「ただいま。あたし、一回も雨に当たらなかった」

  20分もしないうちに、得意そうに長女が帰ってきた。

 そうなのだ、束の間の大雨だった。

 想像だにしない雨。降ってほしいところでは降らない雨。矢木沢ダム貯水率もさして変わらなかったようである。

「人間の思い通りなんぞ、ならないよ」

 雷様の声が聞こえてきそう。

 

*ドラッグストアに置いてきた自転車は、夜、取りに行きました。

 

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これは、雷様に見えなくもないですよね。

西野  そら