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西野そらの日々のこと 

「書く」ことを暮らしのなかの一つに。日々の些事をどう受け止め、考えたのか。忘れないように。

次から次と

 ストアで立派な葉のついた大根に目が止まる。みるからに瑞瑞しく、どっしりとしている。野菜はストアのそばにある八百屋で買うのが常であるが、出合ってしまったのだからしかたがない。大根をカゴに入れる。鮮魚コーナーではブリのアラがてんこ盛りで398円。魚屋のお兄さんに包んでもらう。

 その夜のこと。

 前日から義母(はは)の見舞いで新潟に行っていた夫が叔父さんが持たせてくれたという大根3本と山ほどのりんごを持って帰ってきた。これまた立派な大根たちである。

 さすがに冷蔵庫の野菜室には収まりきらず、発泡スチロールの箱に入れてベランダにて待機しててもらう。

 夕飯の味噌汁の実にストアで買った大根の葉をいれる。食後、翌日の朝食用にぶり大根を煮る。大根1本使い切る。

 残るは3本。

 

 翌々日、食材宅配でまたまた立派な大根が届く。ひゃー。

「かくかくしかじかというわけで大根とりんご、いらない?」

 電話で母に訊ねる。

「大根の漬物にするから貰うわ」

 助かった。大根はそれほどすぐには傷まないが、ベランダで発泡スチロールの箱をみるたびに心落ち着かなくなるのはいやだもの。

 大根1本とりんご2個を母に届ける。

 残るは3本。

 

 ああ、あのぬか床がありさえすれば……。

 この夏、ぬか床をダメにした。今回こそはダメにするまいぞと手入れをしてきたにもかかわらず、だめにしてしまったのだ。

 そんな自分にがっかりしていたから、ぬか漬けでない漬物まで考えがおよばなかった。

 母が漬けた大根を味見するとなかなかおいしい。母のレシピ帳から漬け汁の分量を書き写し、うちに帰って1本分を漬ける。食べられるのは三日後。 

 残るは2本。

 

 最後の2本は数日かけて。つくったのは大根の味噌汁。大根おろし。大根と厚揚げの煮物。まだあと一本。

 漬物はおいしく漬かった。ぬか床がなくてもあの漬け汁ならば何を漬けてもよさそう。

 ひゃーとたじろぎはしたものの、こういうことってなんとかなる。歳を重ねると、なんとかさせられることが多くなる。どうにもならなきゃ、さっさと諦めることもできる……、ように思われます。

 

 

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最後の一袋です。

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西野  そら