西野そらの日々の事ごと

「書く」ことを暮らしのなかの一つに。日々の些事をどう受け止め、考えたのか。忘れないように。

入梅

今週のお題「雨の日が楽しくなる方法」

 

 5月の半ばだったか、マンションの花壇に色が薄くつきはじめたばかりの紫陽花をみつける。 

 ああ、ことしも紫陽花の季節になったか。

 澄み切った空の下でにわかに梅雨へと気持ちを向けた。とはいえ、あんまり空が青いからすぐに気はそれてしまったのだけれど。

 6月。気がつけば青、赤紫、緑の色が際立ち、ちぎり絵のようなまぁるい紫陽花が花壇のそこここで「入梅近し」と静かに知らせてくれている。 

 原因があるとしても、年々前倒し気味に暑くなっているし、局地的に雨も降り過ぎる。少しずつ変化している自然環境に四季の有り様(ありよう)もかわってしまいそうであるのに、花壇に咲く紫陽花たちは毎年だれに教えられずとも開花のその時を知っている。 

 もちろん紫陽花だけでなく、植物とはそういうものなのだろうけれど、紫陽花は季節の巡りをわたしに思いださせてくれる、花のひとつ。

 雨だれに打たれる花は乾いている時よりも美しく、雨が続くとなお、この際立つ花の色が目に飛び込んでくる。

 それだから、灰色の雲に覆われた空では気分も重くなりがちだけれど、紫陽花を見ればまあ梅雨だしねと雨ふりをそう悪くないと思えたりもする。

 紫陽花に繰り返し咲く不思議を感じつつ、ことしも再会できたねと嬉しくなる。

 

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 雨の日の紫陽花

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 晴れた日の紫陽花

 sora