西野そらの日々のこと 

「書く」ことを暮らしのなかの一つに。日々の些事をどう受け止め、考えたのか。忘れないように。

「ほらほら、さっさとお読みなさいな」

「ほらほら、さっさとお読みなさいな」 返却日の差し迫った単行本三冊が鎮座する棚からのお咎めを感じるようになって一週間が過ぎた。 図書館から借りてきたその日に表紙を開いた『読む力・聴く力』(*1)はとうに読み終えたから、あの声は『わたしを離さない…

中途半端

いまこうしてパソコンの前に座っているわたしの短い髪からは、汗が滴り落ちている。 夏前、ショートボブにしようか検討中ということをここに書いたが、あれからまもなくして刈り上げショートボブの短髪となった。

富士宮やきそばを食べながら。

山梨県甲州市へ行った。 滞在二日目。 青木ヶ原樹海にある鳴沢氷穴と富岳風穴へ向かう。 宿から出てしばらくすると車は山道にはいり、右に左にくねくね走る。ようやくくねくねが終わったかと思えばまたはじまり、山を下っているのか、登っているのかわからな…

道草、寄り道。

主婦の外出先などたかが知れている。いやこういう書き方はまずい。主婦とはわたしのこと。外出先の乏しいのはわたしである。 週に3,4日食料品の調達に駅前のストアにゆく。また週1回の割合でドラッグストアへゆき日用品を調達する。ストアは歩いて5分、ドラ…

大雨洪水警報

先週の木曜日。 午後3時過ぎ、大雨洪水警報を知らせるメールが届いた。 わたしの住むまちの市役所が実施している「暮らしの情報メール配信サービス」からだ。 警報の発令がでるなんて、一体どれほどの雨になるのやら。

走りたい、走りたくない、走れない。

5月、健康診断を受けた。結果は血液系一般という項目が赤字の要医療と記されていたが、それ以外は異常なし。 血液系一般にあるいくつかの項目のなか、引っかかるのは、ヘモグロビンとヘマトクリット。要は貧血。以前のブログにも書いたが、わたしは貧血と親…

ピンクの電話

わたしの携帯電話はいわゆるガラケーというやつだ。 五年ほど前、高校二年だった長女から譲り受けたおさがり。以来、わたしはマットなピンクの携帯電話の主である。 五十歳を過ぎてからは、鞄やポッケトから携帯電話を出すその瞬間、ピンクであることにわず…

天下人

およそ四十年ぶりに日光東照宮を訪ねた。小学校の移動教室以来だ。 日光へは別に目的があったのだけれど、せっかくこの地へ来たのだからと、なかば思いつきの訪問。 が、しかしねえ、日光東照宮がこれほどの人気スポットだったとは知らなかった。 修学旅行の…

同じようで、同じじゃない。

エアコンクリーニングを掃除業者に依頼した。1999年製の古参のエアコン。3年ぶりにプロの手により黒カビを落としてもらう。 当日。約束の時間より20分早い午後1時10分にチャイムが鳴った。インターフォンのモニターに映るは女性。あっ、女のひと。前回は男性…

煮込まずにいられない

ときどき、「気晴らし」とか「無になれる」といった理由で料理好きを自認するひとがいる。ほんに羨ましい限りである。 20数年、家のこと担当の身。つまり専業主婦であるから、料理することを好き嫌いでは語れない。家族のための料理は好きなものを好きなとき…

週末からの事ごと

土曜日。 小学生の甥と姪の運動会。自転車でおよそ15分の小学校へ向かう。 天気はいいが、次第に風が強まって時おり砂埃が渦を巻く。口の中がザラつく。鼻の孔にも細かな異物が止まりムズムズしてくる。くしゃみの予兆。口に手を当て、わずかに仰ぎ見る。…

ヘアスタイル

2ヶ月に1度、カラーリングをする。 次回の予約は3週間後。まだ少し先だというのに、このところ急激に白髪が目立ってきた。 不思議なことに、月によって白髪の増えてゆくタイミングが変わる。今回は相当早い。白髪はストレスとの関係性も指摘されているか…

小さなハリソン・フォード氏

日曜日も終わろうとしている午後7時過ぎ。 「ピンポーン」 インターフォンの画面には宅急便の配達員の姿。 いつもなら届いた品物を受け取り、サインを書いておしまいの配達員とのやりとりが、この日はちがった。 サインをした伝票を受け取りながらそのひと…

エレベーター ② 

前回に続き、エレベーターのはなし。 出先で数人の知人と定員ギリギリと思われるほど混み合うエレベーターに乗り込んだときのこと。扉が閉まるや、後ろからヒソヒソと話す声がする。一方ではこんな会話がはじまった。

エレベーター ⓵

彼女と久しぶりに会った。彼女なんていうのはどうもしっくりこないのだけれど、なんせ名前を知らないのだから、しかたない。 彼女は同じマンションの住人。

東京国立博物館 平成館にて

ほのかに明るい空間へ一歩足を踏み入れると、椅子に腰掛けた一人の女性がこちらをじっと見ている。目が合っているようでもあるし、わたしをすり抜けて、もっと先をみつめているようでもある。表情がありそうでなさそうな眼差しから目がそらせなくなる。 2016…

知らないことだらけ

近所の友人ふたりとお茶飲みの約束をした。向かうはうちから歩いて15分ほどのカフェ。 道すがらの公園では、わずかに残る桜花と芽吹きはじめた若葉がわたしたちの歩みを止めにかかる。 「満開の桜もきれいだけど、葉桜もいいよね」 「清々しさが、いい」 …

挟まる

電車に乗りそびれた。 乗り遅れたのとはちがう。電車に乗り込むはずの一歩を、なぜかホームと電車のあいだに踏み込んでしまったのだ。もう一方の足はハードルを跳ぶときのかたち、つまり膝と足首が90度にまがったかたちでホームに止まった。 「ハードルを…

ああ、寝坊。

寝坊した。 7時を過ぎている。8時には弁当を持たせ高校生を送り出さないといけないのだ。 「ひゃー」となってからが早かった。 「ごめん、寝坊した。起きてぇ」 高校生の部屋で非常事態宣言を発令し、台所に立つ。 前の晩布団のなかで算段した、弁当のおか…

再会

「……、夕食。竹の子ご飯(ご近所の山田さんが下さった。おいしい)。寄せ豆腐の白みそ仕立てのお椀。茄子のしぎやき、子もちししゃも。ばんさんすい(糸寒天。もやし、きゅうり、ハムわかめ、うす切り玉子入り)。昔、妻が東中野の料理学校で習った料理……」 …

翌日配達

娘の友達が泊まりにくるという前日の朝のこと。 泊まるのは一人だと思っていたが二人であると判明した。 「えぇー、聞いてないよ。Rちゃんひとりじゃないのぉー」 いくら聞いてないと言っても娘は「言いました」の一点張り。 でも聞いていたなら、あるいは…

昔も今も

ある日。 ドラッグストアに行く。 流さないトリートメント(娘たち用)、食器用洗剤、歯磨き粉をカゴに入れてレジに向かう。 二つある列のうち、次に順番となる少年の後ろに並ぶ。買い物カートより頭一つ分高い背丈。大人の姿は見当たらないが、買い物カゴの…

遠い先のこと

家の事担当の身である。ひと月の予定の程度は知れているからスケジュール帳は持たない。わたしの予定表は居間の壁に掛かるカレンダー。 もとより1週間以上先のことには気持ちが向かわないし、予定が重なると気が重くなる。 予約を入れるのが当たりまえとな…

見知らぬひと

小学校の参観日。学校に着くといたるところで子どもたちの賑やかな声が響いている。休み時間の只中だ。 目当ての教室は3階。3階も同様、溌剌とした姿が廊下と教室にいり混じっていた。 一見して、男子はヘラヘラという印象。走る姿、仲間と話す姿がどうし…

トホホな話

咄嗟にことばがでてこない。そのことで家の者からしょっちゅう失笑される。 たとえばNHKの朝の番組「アサイチ」のことをはなしたかったとする。 「テレビの朝の番組、ほらNHKの……」 相手が「アサイチ」を知っていれば「アサイチ?」となり話を進められ…

視線

買い物からの帰り道。 突然後ろから 「なに見てるんだよ」 と、女の子の声。 「誰に向かって言ってんだ」 「おまえが先に絡んできたんだろ」 反射的に振り返った。 言い合いをしているひとりは、コンビニの前のガードレールに腰掛けていた高校生ぐらいの女の…

予防接種

「どうする?今年は受けた方がいいんじゃない?」 受験生の次女にインフルエンザの予防接種をすすめたのは昨年の10月にはいって間もなくのことだった。 「受けないでしょ。予防接種するたびにインフルになってるんだから。今年こそ受けちゃまずいでしょ」 と…

磨く

「楽しいことないかな」 高校生のわたしはいつでもこんなふうに思っていたのだった。あのときの「楽しいこと」がなんであったのか自分のことながらわからないけれど、思い当たるのは結局のところ楽しくないこと以外ということか。 楽しくないこととはつまり…

先取り。先走り。先送り。

近所のコンビニエンスストアの店先にのぼり旗がはためいたのは昨年暮れのことだった。 「恵方巻き予約受付」 「んっ?」思わず二度見する。先取りなのだろうが、ふと先走りということばが浮かぶ。 のぼり旗はクリスマスを経て正月を迎え雪の降る日もはためい…

ハッとする。

意識が実年齢に追いつかない。 その実、小さな文字は見づらいは、白い髪は染めても染めてもたちどころに白くなるは、「えっ?えっ?」と耳の後に手のひらを当てるあの動作も、めっきりふえた。半世紀分のがたはきている。 にもかかわらず、心の持ちようは3…

なんか、ちがう

昨年(2015年)の2月に車が来てから、ずいぶんと暮らしかたが変わってきました。 とりわけ変わったのは買い物。向かう先は増えてゆくも回数は激減しています。 それまでは徒歩5分のスーパーマーケットで週3、4回食品を、徒歩7分のドラッグストアで…

一生もの

シルバーの腕時計を買ってもらったのは中学3年の修学旅行まえ。 皮製のベルトのような留棒を穴に入れるタイプでなく、三つ折れタイプの留め金だ。オトナが着けるあのタイプ。 腕時計を着けたわたしの手首はにわかにオトナの手首にかわった。 腕時計のつけ方…

はじまり

元旦。 届いた年賀状に目を通しながら、宛名ごとに仕分ける。 わたしには歯科医院、整体、ショップから届いたものを除けば、昨年末に書いた年賀状よりわずかに少ない枚数が届いた。 学びの時代、勤め人の時代、親としての時代があり、ぞれぞれの時代には相当…

12月の終わり

終業式の翌日から冬季講習が始まった受験生。朝8時過ぎには弁当をもって出かけてゆく。帰ってくるのは夕方6時過ぎ。これが始業式の前日まで、休みなく続くのだそう。自転車にまたがる姿は逞しく、この冬の暖かさはせめてもの救いのように思われる。 わたし…

次から次と

ストアで立派な葉のついた大根に目が止まる。みるからに瑞瑞しく、どっしりとしている。野菜はストアのそばにある八百屋で買うのが常であるが、出合ってしまったのだからしかたがない。大根をカゴに入れる。鮮魚コーナーではブリのアラがてんこ盛りで398…

日日是好日

ある日。 小雨が降るなかコンビニエンスストアの前を通りかかったときだ。 小学5、6年生と思われる少年が店先で仰向き口を開けていた。雨粒を口にいれているのだ。小雨の頼りない降りだから雨が口の中にはいっているかを確認しているのにちがいない。彼の…

冬仕度

ことしの冬は暖かい。とは言っても夜には足先が冷える。風呂の湯に浸かってもほどなくすると足先は冷たくなる。いちど冷えると簡単に温まらず蒲団にはいってからもなかなか寝付けない。 つい十日間まえのこと。冷たいままの足先にたまりかねて、夜中の12時…

『飛ぶ教室』

子どものころから中々どうして距離が縮まらない海外文学であったが、このたびドイツの児童書と思いがけない出合いをした。 『飛ぶ教室』エーリヒ・ケストナー 高橋健二訳(岩波書店) キルヒベルクにあるヨハン・ジギスムント高等中学の5人の寄宿生と彼らを…

知るを楽しむ

今週のお題「今年買って良かったモノ」 ある日。 午前10時半、JR両国駅西口に降り立つ。目的地は相撲博物館。 目的地は相撲博物館であるが、実のところ相撲は若貴ブームの時代にテレビ中継を見た程度である。それも若貴が登場するわずかな時間ばかりの視聴…

オカヒジキ、そして蕪。

火曜日には食材宅配「大地を守る会」の野菜と半ダースの卵が届く。 下の子が生まれ、思うに任せぬ買物事情で宅配をはじめたが、この宅配、わたしには思わぬ収穫があり15年来続けている。 最近ではスーパーマケットや八百屋に並ぶ、オカヒジキ、モロヘイヤ…

はてなブログは4周年! 私の変わったこと、変わらないこと

4年間で変わったこと、変わらないこと」 地震雷火事親父。 怖いとされているものとして並べられたことわざである。 実をいえば、最初に地震を置くのは語呂がよいからだと思っていて、地震は怖いという実感がそれほどなかった。 阪神淡路大震災は被害が甚大で…

「読まぬなら、わたしが読もうホトトギス」

読みたい本、読みさしの本が積ん読(つんどく)状態になりつつある。 このところ本であろうが新聞であろうが、なかなか読み進まない。老眼が進んだか。いやいや、老眼のせいばかりとは言えまい。集中力もそうとう落ちてきた。年齢のせいにしたら年長者に鼻で…

続・思いがけないこと

ある日。 午後3時、お昼に投稿したブログのアクセス数を確認する。 実をいえば、アクセス数の動きはそうそうない。とはいえ、一つでも数字が増えていると、ありがたいやら嬉しいやらで、変化はないだろうと思いつつなんやかやとアクセス数を確認してしまう。

手放せる家電は?

今週のお題「行ってみたい時代」 いつぞやのこと。 家電製品で一つだけ手放すとしたらなにを選ぶかという話しになった。 だれかが「洗濯機かしらね」と呟くや、その場にいた女性十数名のほとんどが思い思いに肯くではないか。へえ、みなさん洗濯機なのね。

今夜はなにを食べようか。

お酒が好きだ。好きと言ってもたんに酒好きというのとはちがう。食事をよりおいしく食べるためのお酒が、好き。 ワイン。日本酒。焼酎。そうだ紹興酒も忘れてはならない。 料理に合わせてお酒を選ぶ。あるいは、お酒をよりおいしく飲むために、なにを食べよ…

近所のおばさん

長女とマンションのエレベーターを待っている。背後からひとの気配がして振りかえると、向こうから小学生が下校してきたところだった。 7階のNさんちの次男坊だ。 「お帰りなさい。あら、Nさんちの弟くんじゃない」

彼岸花

呆気なく終わってしまった感のある夏に季節のめぐりを感じつつも、てっきりあの暑さは戻ってくるのだろうと思っていた。 ここのところの夏は、前倒しでおとずれいつまでも居座る。10月の衣替えの時期でさえ半袖の服を手放せず、通年Tシャツ数枚が箪笥の抽斗…

好きなように

——保護者会のまえにうちで紅茶でも飲みませんか—— 友人からメールが届いた。保護者会まえの1時間限定という気楽な誘い。 ——飲みます、飲みます。お誘いありがとう—— こう返信をしてから数日後、いそいそと友人宅の呼び鈴を押す。

言い間違い

今週のお題「思い出の先生」 長女が小学3年生のときのこと。13年前のはなしである。 その日は朝の会の時間を利用した読み聞かせの当番であった。 「おはよう」「あっ、Kちゃんのおかあさんだ」「なに読むの?」

80代の強み

この夏、両親の家に行ったきのことだ。 「新宿のルミネには、南口から出るのかしらね?」 と80歳を過ぎた母。 「新宿に行くの?食事会?誰と?」 「ヨン様仲間(母は韓国俳優のぺ・ヨンジュの大ファン)」。