西野そらの日々の事ごと

「書く」ことを暮らしのなかの一つに。日々の些事をどう受け止め、考えたのか。忘れないように。

端折りすぎ(はしょりすぎ)

次女の部屋からは、毎朝次女の気に入りのバンドのうたが聞こえてくる。目覚まし時計のベル代りであるが、ロックバンドのうただからか、なんせ音が耳に刺さる。さして音量は上げていないらしいが、わたしには大音量に聞こえてならない。

星座

先日のこと。 天秤座であるというOさんが書いた、天秤座の性格たるものカクカクシカジカであり、どう扱われると嬉しく、どういう扱いを受けると煙たくなるかという、さながら天秤座取扱説明書のようなエッセイを読み聞かせてもらった。 これまでわたしは占…

ご機嫌ですね〜

午後7時過ぎのデパ地下。時間が時間で買い物客はせわしなく歩き回り、生鮮食品には値下げシールが20パーセント引き、30パーセント引きと値下げシールが重ねて貼られている。 シールの貼られた刺身の盛り合わせ、肉のパック、野菜をもとめたあと、共にで…

事故!?

夕飯の片づけをしていたときだ。 箸とカトラリーをしまうために食器棚の引き出しを開けたその瞬間、引き出し中身もろともに落下した。ガシャガシャ、ガッシャーン。 手元を見ていなかった。次にしまう食器に気持ちは向かい、顔だけ振りかえり食洗機の中に目…

がんじがらめ

苦手意識が芽生えると、ことさら、だれかに対して苦手意識が芽生えてしまうと、うまくゆかなさが重なる。いや、うまくゆかなさが重なるから苦手意識が芽生えるのか。きっと、どちらもあり得ますね。

少年

テレビ画面の左上にある天気表示。その朝、東京の天気は午前午後ともに傘と曇のマークが表示されていた。天気予報を信じないわけではないが、窓を開けて空のぐあいを見る。外気に当たって温度を感じる。たとえば20℃と数字で表示されても、季節によって20℃の…

着ること

「着ていく服がない」 出かける段になると決まってこう言い放ち、父の機嫌を損ねた。中学から高校時代の思春期のはなしである。 「着ていく服がない」この言い草は行き先に関わらず。たとえば都心の百貨店に行くときであっても、少しはなれたスーパーマーケ…

たどりつく。〜ものは言いよう その2 〜

少し前にものの言い方、伝え方のことを書いた。(8月22日「物は言いよう」) じつを言えば、書いたそばから、こういうことを書こうとしていたんじゃないな、わたしは。こんな思いがないわけではなかった。ただ頭のすみにハテナは浮かぶも、ハテナがなんの…

だれかと、一緒に。

ひとりでいることが苦手ということもない。むしろ群れているよりは気楽。 しかし、目的をもたない出歩き(これは散歩というのだろうか、旅と呼んでいいかもしれない)は、ひとりだと寂しい。 子どもが幼かったころは目的地を決めずに出歩くことが少なくなか…

原稿は楽譜

「おすすめの絵本は?」 こう訊かれたら、まず浮かぶのは『まさかりどんが さあ たいへん』(かこさとし/小峰書店)である。 かこさとしといえば、だるまちゃんシリーズ、『カラスのパンやさん』『どろぼうがっこう』と数々の絵本があるし、どの絵本もなん…

基本のキホン

ああ、ひどいったら、ありゃしない。 なにがひどいって、このところのわたしである。 週に数日、外での仕事をはじめた今年の4月から、家の仕事の大切さに気がついていないわけではなかった。いや、気がつくというよりも、むしろ大切さを思い知らされたていた…

心に居座る岩

母と電話をしていたときだ。 「お父さんもお母さんも動物が苦手だったからね……。」 母が反省めいた言葉を口にした。 わたしのブログ、7月11日の「不条理」を読んで、娘に動物苦手意識を抱かせたのは自分たち親の影響と考えたのらしい。

ナツシグレ

ミーンミーン、ジージー、ジリジリジリリリ……。 朝からその音の波は、あたりを響もしていた。無意識に聞き取っていたその音の波が、ある瞬間に蝉のこえであったことに気がつく。常よりはげしく聞こえてくる蝉の声。 そうか、これが蝉時雨だな。 これより数日…

ものは言いよう

さして狭くもない歩道でのことだ。すれ違いざまにぶつかりそうになって、あわてて肩を後ろにひいた。 ほぼ同時に、 「ちっ、どこ見て歩いてんだよ」 と、吐き捨てるように言う、七十代ぐらいのおじいさん。 「ごめんなさい」 と、わたし。

どうにもト・マ・ラ・ナ・イ

気がつけば、8月も半ば。 肌を刺すような強い日差しの日もあったけれど、年々蒸し暑くなってきている。日陰に入ったとて、纏わりつくような湿気からは逃れられず、逃れる方法はクーラーをつけるしかない。が、クーラーをつければつけたで体が重くなる。 自然…

土産のはなし

行の土産を買ったり、もらったりする時期だからか。 「3年生の夏休み明け、マナからお土産もらったじゃない。あれには驚いたよね」 と、次女。どうやら小学三年生当時の思いがけない土産のことを思い出したようである。

蝉と雨と浴衣

目覚まし時計のアラーム音をとめたところで、蝉が鳴いた。 「ミーンミーン」だったか「ジィ〜」だったか失念してしまったが、ことし初めての蝉のこえ。 ああ、夏がきた。

「注意」

食卓にノートパソコンを置いて、これを書いている。書きものは食卓。これが常である。 いまの食卓はこんなふうだ。ノートパソコンの左側には、書きはじめる前に食べたおせんべいの袋と数冊の本が積んである。右側には家で炭酸水をつくるための専用ボトルが置…

ミライ

小学生のわたしにとって未来といえば21世紀を意味していた。当時折にふれ、大人はわたしたちに言ったのだ。 「君たちが21世紀を担っていくんだよ」 しかし。いくらそんなこと言われても、わたしには21世紀も未来もちっともピンとこなかった。

不条理

バイト先でのはなしだ。 「ミャーミャー」 窓の外から、か細い鳴き声が聞こえてくる。 子猫が捨てられていた。

撤回

もう飲まない。 なんど誓ったことだろう。いや、誓うほど切実ではないにしても、毎日は飲まないと幾度となくみずからに言い聞かせてはきた。 昨年あたりから、ワインを4、5杯飲んだ日の翌日がきつい。目覚めた途端、 「くたびれた」 となる。

顔も知らないけれど。

「その方とは、喧嘩をしたから今ではご挨拶もしませんのよ」 こう言ったのは、同じマンションの林さん。八七歳のご近所さんである。 絵が好きだという林さんは白髪のショートへア。八十代の女性にしては背が高く大柄であるが、ここ数年で少しばかり背中が丸…

そろそろ、忘れてくれやしないかな。

妹家族が引っ越す。この度の引っ越しは、リフォームのために半年間過ごした仮住まい(うちの近所)から、ピカピカに仕上がった自分たちの家へ戻るため。 引っ越し前日、家の近くで妹と出くわした。 「もう、ぐったり。まだダンボール詰が終わってないの」

常態、脱皮。

アルバイトの日。 家を出る時間は午前9時10分。それまでにすませたい家の事ごとを、手を動かしながら算段してゆく。まずは洗濯機を回してから、長女の朝ごはんからつくる。長女が食べはじめたところで、次女の弁当と、夫、次女、わたしの分の朝ごはんをつく…

親しいともだちがいない!

気になる植物というものは、そうとう移ろう。 いつかの年はハナミズキばかりが目に止まり、いつかの年はシャクナゲに吸い寄せられた。紫陽花の年もあれば、彼岸花が気になって仕方がなかった年もある。 そして今年はどうやら、ドクダミ。 5月になると、そこ…

プチメール

「疲れるので、帰って来るまでには機嫌を直してください」 気まずいまま夫を送り出した日、わたしはこんなメールを送る。 喧嘩に被る笠はなしとはよく言ったもので、その日も朝の穏やかな雰囲気が一変した のは、玄関までのたった数歩でのことだった。 「今…

本当のこと

13年前の話である。 娘が一緒に登校していたNちゃんのお母さんから電話があった。 「Nの口調がきつくて友だちと喧嘩になったり、泣かせたりするらしいの」 担任から連絡がはいったとかで、普段の子どもの姿を知りたいということだった。

自分の食い扶持ぐらい……

図書館でアルバイトをはじめてから、ひと月が過ぎた。 働きに出るのは実に26年ぶりである。 話はちょうど1年前に遡る。 40代で起業した友人と会った折。穏やかというよりは生き生きとしている友人の仕事の話を聞いているうちに、起業をした理由を訊きたくな…

小野さんに会いたい

「ああ、小野さんに会いたい」 洗い物をしながら、ひとりごちる。 「そういえば、姿勢よくなったよね」 思いがけず、後ろから夫の声。

すいません、すいません。

すまないのくだけたかたちの「すいません」は、感謝の意、謝る意、誰かに何かを訊ねるための呼びかけにも使える重宝なことばだ。 かく言うわたしも、いろいろな場面で安易に「すいません」を連発してしまう。しかしあるときから、この重宝な言葉がしっくり来…