西野そらの日々の事ごと

「書く」ことを暮らしのなかの一つに。日々の些事をどう受け止め、考えたのか。忘れないように。

卓球

妹の家に行った。 目当ては小学5年の甥っ子と3年の姪っ子。うちに小さい人がいなくなったから、このふたりから漂う力(ちから)とか穏やかな空気に包まれたくなるのだ。

時間のつかいかた

カーテン日和。そんな言葉はないが、カーテンを洗うのにうってつけの空だった。よしっ、娘たちの部屋のカーテンを洗おう。 長女の部屋のレースカーテンと遮光カテーンをはずし、まずはレースカーテン。洗濯機にいれるも洗濯槽にはゆとりがある。カーテン一枚…

や、野望。

5年後の野望を問われる。夢でなしに野望。 昨年、四半世紀ぶりに外での仕事を得た。一年限りの期間限定であった。が、ことしから職場が民間企業に委託され、思いがけず、委託された会社の契約社員とあいなった。

いいこと聞いちゃった

自転車のタイヤがパンクした。近所の出張専門の自転車修理さんにきてもらう。 修理屋さんはミニバンでやってきた。跳ね上げた後部ドアが屋根に代わり、修理屋さんが開店。

デコとボコ

デコボコした感情が平(なら)されてゆくことを大人然とするなら……。 五十代も半ばにさしかかろうというのに、平されないままのデコボコが形状記憶さながら形をなしてくることが、わたしにはある。

素朴な疑問

午後2時過ぎ。 仕事終わりの職場の玄関先。顔見知りの清掃係の女性が声をかけてきた。 「だれか待ってるの?」「はい、タクシーを」娘の体育祭で学校へ行くと言うと訝しげに、 「お嬢さん、小学生?」

機能

LINEで文章を書くのが苦手だ。なんせ、文字を打ち込むスペースが小さい。少しばかり長文になると、打ち込んだ文が表示されなくなるから文が書きにくい。書き終えてからスクロールして読み返せばいいのだけれど、それが手間。読み返さずに送信する。だから誤…

教えたかったのは……。

小学生たちが私の仕事場でもある市立図書館にやってきた。1年3組の生徒たちと老練な女性の先生。 「ひとり3冊まで。時間は15分です」 わずかにつぶれた低い声の先生がこう言い終わると、生徒たちは散り散りになった。

タンジョウビ

お誕生日おめでとう」 起きしなの夫に言われ、自分の誕生日に気がついた。 ソウダ。キョウハ、タンジョウビ。

8月のある日

8月のある日。 夏休みの甥っ子がやってきた。ヒロくん。小学5年生。人生ゲームの盤を引っ張り出し、遊ぶ。 ヒロくん、チャンスのマス目で見事大金をつかむ。

裏切る記憶

「カレー、食べたいな」夫の言葉にわたしは頷く。うん、おいしいカレーが食べたい。 カレーを食べたくなることも、ましてや食べたいタイミングが夫と重なることも珍しい。一気にカレーへの思いが募る。欧風カレー、インドカレー、タイカレー。さあ、どれにし…

麦わら帽子

この時期に書いた昨年のブログを読みかえした。昨夏のわたしは暑さと大量にでる汗に辟易している。われながらおかしくなった。この夏もさして変わらぬわたしであるからだ。

これはこれ、それはそれ。

魚屋のまえで足が止まった。氷が引き詰められたショーケースの端に、こんもりと積まれた小アジの皿をみつけてしまったのだ。 近づいてきた夫に小アジから目を離さずに言う。

恋。妄想。長風呂。

たしは入浴時間が短い。カラスの行水である。 とはいっても一番風呂にはいるときは、やや長くなる。きりりとした湯に10分は浸かる。きりりとした湯が肌に馴染んでくるまで、ゆっくりと開放感を味わいながら。

50分

10時半、△△駅改札口。 カレンダーで時間と場所を確認してから家をでた。△△駅改札口についたのは10時15分。

夏といえば……

夏といえば入道雲。素麺。蝉の声。かき氷。浴衣……。「夏といえば」のあとに置く言葉は数多あれど、今夏のわたしはこれだ。 夏といえば高校野球。 次女は高校3年生。甲子園をめざす同級生が予選のコマを進めるべく、闘いの只中にいる。只中にいるのは同じ学校…

背中合わせ

わたしはネガティブ思考らしい。家族がそういうのだからそうなのかもしれない。わたし自身はそうかしらと、てんでピンとこないけれど。そも、ネガティブ思考になったりポジティブ思考になったりするのが、ヒトじゃなかろうか。

夏のキラキラ

葦簀越しの眺めがすきだ。 うちの居間は西側に面していて、冬は西向きの居間でよかったと思う。エアコンの暖房をつかわずとも、ホットカーペットとオイルヒーターでしのげる程度に部屋を暖めてくれる。23年前の冬ここに越してきたときには、マンションの利点…

役目

たとえば、学校の保護者会。先生の笑いのとりかたにピンとこない。大人の集まりといえどもそう長くは続かないのが集中力である。先生は保護者たちの様子を察知しながら緩急をまじえ話される。「はい、ここが笑いどころ」という箇所では、笑うための間もあっ…

生まれ変わるとしたら

「もう、生まれてこなくていい」 いまの知識と記憶を残すことがきるとして、次に生まれて来るとしたらなにになりたいかと夫に訊いたら、こう返ってきた。またまた、なにをおっしゃいますか。冗談じゃなくてさ。いまの知識と記憶があって生まれ変わるとしたら…

そしてわたしは途方に暮れる。

雨の日はきらいじゃない。きらいじゃないけれど、今は少しばかり憂鬱。 憂鬱の原因は自転車通勤。いや、自転車通勤が憂鬱なのではない。雨合羽だ。嵐の ような雨の降りかたでないかぎり雨合羽を羽織って、わたしは自転車を走らせる。

野菜の教え

いつも行く八百屋さんで梅と目があって、たじろぐ。もうそんな時期……。小ぶりの梅に季節の移ろいを教えられる。 昨年は5キロ買って梅干しをつくったけれど、ことしは手をだしません。きっぱりと梅と自分に宣言して、梅の横に置かれている枝豆を手に取る。

御託を並べる

5月も半ば。ようやく花粉から解放されて心置きなく窓を開け放てる。 午前の清々しい風がレースのカーテンをなびかせて居間にはいってくる。ああ、花粉症でなけりゃ、もっと早くからこの春風をあじわえるというのにねえ……。

映す

向けた笑顔が宙に浮く。受け止めてもらえなかった笑顔のやり場にこまって(こまった感情やら、沸き起こる疑問やらなにやらに自分自身が気づかないふりをして)上がった口角をゆっくりと下げる。 鏡だと感じてきたようなところがある。人との接し方のことだ。…

24回目

パスタ。 「夜はなにが食べたい?」と、朝長女に訊いた返事がこれだ。どんなパスタがいいのかも言わず、この一言だけを残して長女は出勤していった。 夕方。出先からの帰り道にいつものスーパーマケットに立ち寄る。さてと、なんのパスタにしようか。冷蔵庫…

わたしは伝言板

どうするの?」 ゴールデンウイーク中、家族ででかける予定はあるのかないのか。自分の予定をたてるために長女がこう訊いてきたのは4月上旬だった。差し当たり家族旅行の計画も、どこかへ出かける予定もない。

踊ってる?

信号待ちのじかん。横断歩道を行き交うひとたちをみるともなしにみていた。目は歩く人から交差点の向こう側に止まる車へ焦点を移し、さらに左にずれて、列植されている一番手前の街路樹で止まった。

だって、ニンゲンだもの。

「明日の集まり、欠席されるとのこと。もし私の出席で気分を害したのであれば申し訳ないと思い……」 予想だにしないLINEがSさんから届いた。ぼんやりとSさんの顔が浮かぶ。 集まりとは子どもの部活の母さま総勢14名で、学校や子どもたちの情報なんぞを仕入れ…

遠いむかし、小学校の低学年ころのこと。 家の前で井戸端会議をする近所のおばさんたちのちかくで、わたしは友だちと遊んでいた。おばさんたちはひとしきり賑やかに話しこんでいたが、ほどなくして井戸端会議の輪がほどけた。その途端、おばさんの一人がそれ…

こぼす

アレっ?と思ったのは、40代の半ばを過ぎたころだ。ある日を境にというほど断定的ではなしに、気がつけばという感じで箸がうまい具合に口のなかにはいらなくなった。いつもではない。下唇や口の端にあたったりして箸でつまんでいるものがわずかに落下してゆ…