西野そらの日々の事ごと

「書く」ことを暮らしのなかの一つに。日々の些事をどう受け止め、考えたのか。忘れないように。

日々のこと

仕事始めの5日。終業時間の午後5時を少し回ったところで外に出て驚いた。 まだ空がほのかに明るい。ほんの2週間まえ。仕事納めだった12月21日には、同じ5時過ぎでもすでに真っ暗だったというのに。 2週間分、春にちかづいたってことですな。

「スマホ、忘れてきたみたい」

年末年始をハワイで過ごすこととなった。 成田空港へ向かう。 うちの最寄り駅から電車に乗るのは次女とわたしの2人だけ。夫と長女はこの日も出社したのだ。次女とわたしが新宿駅から乗り込む成田エキスプレスに、夫は東京駅から乗車してくる。長女は退社して…

はじまりとおわり

2017年は年明け早々、外に出よう(仕事をしよう)という気持ちが芽生えた。とはいえ四半世紀ぶりに働こうというのだ。全くもって現実的な話ではないが、駄目元だ。結果はどうであれ、ともかく行く先の道をみつけたかった。実のところ、みつかるのか、みつか…

真逆の感情

金曜日の朝。 「今日は会食があるから、夕飯いらないよ」 思い出したように早口で夫が言った。師走だ。たびたびの会食、忘年会といった集いも仕事である。 「たいへんなことで」 多忙な夫を気の毒に思いながらも(もちろん感謝もしております)、じつをいえ…

テレビをつけると、プロ野球の野村元監督が門前で、夫人が亡くなったことを報道陣に話す姿が映っていた。わたしの記憶する監督よりも年老い、しばらくテレビにくぎづけとなる。 門前の取材映像が終わると、野村元監督夫妻の過去の映像がながれはじめた。それ…

月とドーナツ

思いがけず、大きな大きなまあるい月と遇う。 月と遇う。こんな言い方はおかしいけれど、此の度はまさに「遇う」がふさわしかった。 うちは集合住宅の4階。玄関先から左にすすむとエレベーターホールに続く廊下にでる構造である。そうだ。廊下の向こうは東…

居合せる

土曜日。 到着予定時刻を5分すぎていたが、待ち人来ず。 出入り口付近で賓客を迎え入れようと待機していた、いつもは険しい顔つきの上司が、うろたえている。 「まだ、おみえにならないのよ」

端折りすぎ(はしょりすぎ)

次女の部屋からは、毎朝次女の気に入りのバンドのうたが聞こえてくる。目覚まし時計のベル代りであるが、ロックバンドのうただからか、なんせ音が耳に刺さる。さして音量は上げていないらしいが、わたしには大音量に聞こえてならない。

星座

先日のこと。 天秤座であるというOさんが書いた、天秤座の性格たるものカクカクシカジカであり、どう扱われると嬉しく、どういう扱いを受けると煙たくなるかという、さながら天秤座取扱説明書のようなエッセイを読み聞かせてもらった。 これまでわたしは占…

ご機嫌ですね〜

午後7時過ぎのデパ地下。時間が時間で買い物客はせわしなく歩き回り、生鮮食品には値下げシールが20パーセント引き、30パーセント引きと値下げシールが重ねて貼られている。 シールの貼られた刺身の盛り合わせ、肉のパック、野菜をもとめたあと、共にで…

事故!?

夕飯の片づけをしていたときだ。 箸とカトラリーをしまうために食器棚の引き出しを開けたその瞬間、引き出し中身もろともに落下した。ガシャガシャ、ガッシャーン。 手元を見ていなかった。次にしまう食器に気持ちは向かい、顔だけ振りかえり食洗機の中に目…

がんじがらめ

苦手意識が芽生えると、ことさら、だれかに対して苦手意識が芽生えてしまうと、うまくゆかなさが重なる。いや、うまくゆかなさが重なるから苦手意識が芽生えるのか。きっと、どちらもあり得ますね。

少年

テレビ画面の左上にある天気表示。その朝、東京の天気は午前午後ともに傘と曇のマークが表示されていた。天気予報を信じないわけではないが、窓を開けて空のぐあいを見る。外気に当たって温度を感じる。たとえば20℃と数字で表示されても、季節によって20℃の…

着ること

「着ていく服がない」 出かける段になると決まってこう言い放ち、父の機嫌を損ねた。中学から高校時代の思春期のはなしである。 「着ていく服がない」この言い草は行き先に関わらず。たとえば都心の百貨店に行くときであっても、少しはなれたスーパーマーケ…

たどりつく。〜ものは言いよう その2 〜

少し前にものの言い方、伝え方のことを書いた。(8月22日「物は言いよう」) じつを言えば、書いたそばから、こういうことを書こうとしていたんじゃないな、わたしは。こんな思いがないわけではなかった。ただ頭のすみにハテナは浮かぶも、ハテナがなんの…

だれかと、一緒に。

ひとりでいることが苦手ということもない。むしろ群れているよりは気楽。 しかし、目的をもたない出歩き(これは散歩というのだろうか、旅と呼んでいいかもしれない)は、ひとりだと寂しい。 子どもが幼かったころは目的地を決めずに出歩くことが少なくなか…

原稿は楽譜

「おすすめの絵本は?」 こう訊かれたら、まず浮かぶのは『まさかりどんが さあ たいへん』(かこさとし/小峰書店)である。 かこさとしといえば、だるまちゃんシリーズ、『カラスのパンやさん』『どろぼうがっこう』と数々の絵本があるし、どの絵本もなん…

基本のキホン

ああ、ひどいったら、ありゃしない。 なにがひどいって、このところのわたしである。 週に数日、外での仕事をはじめた今年の4月から、家の仕事の大切さに気がついていないわけではなかった。いや、気がつくというよりも、むしろ大切さを思い知らされたていた…

心に居座る岩

母と電話をしていたときだ。 「お父さんもお母さんも動物が苦手だったからね……。」 母が反省めいた言葉を口にした。 わたしのブログ、7月11日の「不条理」を読んで、娘に動物苦手意識を抱かせたのは自分たち親の影響と考えたのらしい。

ナツシグレ

ミーンミーン、ジージー、ジリジリジリリリ……。 朝からその音の波は、あたりを響もしていた。無意識に聞き取っていたその音の波が、ある瞬間に蝉のこえであったことに気がつく。常よりはげしく聞こえてくる蝉の声。 そうか、これが蝉時雨だな。 これより数日…

ものは言いよう

さして狭くもない歩道でのことだ。すれ違いざまにぶつかりそうになって、あわてて肩を後ろにひいた。 ほぼ同時に、 「ちっ、どこ見て歩いてんだよ」 と、吐き捨てるように言う、七十代ぐらいのおじいさん。 「ごめんなさい」 と、わたし。

どうにもト・マ・ラ・ナ・イ

気がつけば、8月も半ば。 肌を刺すような強い日差しの日もあったけれど、年々蒸し暑くなってきている。日陰に入ったとて、纏わりつくような湿気からは逃れられず、逃れる方法はクーラーをつけるしかない。が、クーラーをつければつけたで体が重くなる。 自然…

土産のはなし

行の土産を買ったり、もらったりする時期だからか。 「3年生の夏休み明け、マナからお土産もらったじゃない。あれには驚いたよね」 と、次女。どうやら小学三年生当時の思いがけない土産のことを思い出したようである。

蝉と雨と浴衣

目覚まし時計のアラーム音をとめたところで、蝉が鳴いた。 「ミーンミーン」だったか「ジィ〜」だったか失念してしまったが、ことし初めての蝉のこえ。 ああ、夏がきた。

「注意」

食卓にノートパソコンを置いて、これを書いている。書きものは食卓。これが常である。 いまの食卓はこんなふうだ。ノートパソコンの左側には、書きはじめる前に食べたおせんべいの袋と数冊の本が積んである。右側には家で炭酸水をつくるための専用ボトルが置…

ミライ

小学生のわたしにとって未来といえば21世紀を意味していた。当時折にふれ、大人はわたしたちに言ったのだ。 「君たちが21世紀を担っていくんだよ」 しかし。いくらそんなこと言われても、わたしには21世紀も未来もちっともピンとこなかった。

不条理

バイト先でのはなしだ。 「ミャーミャー」 窓の外から、か細い鳴き声が聞こえてくる。 子猫が捨てられていた。

撤回

もう飲まない。 なんど誓ったことだろう。いや、誓うほど切実ではないにしても、毎日は飲まないと幾度となくみずからに言い聞かせてはきた。 昨年あたりから、ワインを4、5杯飲んだ日の翌日がきつい。目覚めた途端、 「くたびれた」 となる。

顔も知らないけれど。

「その方とは、喧嘩をしたから今ではご挨拶もしませんのよ」 こう言ったのは、同じマンションの林さん。八七歳のご近所さんである。 絵が好きだという林さんは白髪のショートへア。八十代の女性にしては背が高く大柄であるが、ここ数年で少しばかり背中が丸…

そろそろ、忘れてくれやしないかな。

妹家族が引っ越す。この度の引っ越しは、リフォームのために半年間過ごした仮住まい(うちの近所)から、ピカピカに仕上がった自分たちの家へ戻るため。 引っ越し前日、家の近くで妹と出くわした。 「もう、ぐったり。まだダンボール詰が終わってないの」